Hotelulu(ホテルル)

ポイント制度スタート

会員登録/ログイン会員登録/ログイン

カートを見る

Rikako Ikeda コラム No.48

コンシェルジュの教養講座② 世界三大料理 フランス料理 後半

先月より、私自身が教鞭を執っているホスピタリティ関連の学校での「コンシェルジュ実習」という授業からコンシェルジュに必要な教養をご紹介しています。

教養は、ゲストとのさりげない会話、又会食や社交の場面で欠かせません。第ニ回目は世界三大料理の一つ「フランス料理」の後半です。

フランス料理のレストランのお話をするのに、フランス、パリにある ラ・トゥール・ダルジャンLa Tour d’Argent(日本語で銀の塔という意味)というレストランについて語る必要があるでしょう。私が大学を卒業し初めて働いたホテル、ホテルニューオータニ東京には、パリのラ・トゥール・ダルジャンの唯一の支店、ラ・トゥール・ダルジャン東京があり、昨年40周年を迎えました。ラ・トゥール・ダルジャン東京総支配人のクリスチャン・ボラー氏からあらためてレストランの歴史やエスプリについてお話頂いたことをご紹介します。

トゥールダルジャンという言葉は「銀の塔」という意味のフランス語です。その物語の始まりは、1582年。フランスではアンリ三世の時代であり、日本で言えば、ちょうど大阪城が建てられた頃になります。そして400年あまりの時と共に歴史を紡いできました。そこには、支える職人たちの誇りと魂、代々受け継がれてきたトゥールダルジャンのエスプリが継承されています。トゥールダルジャン パリ本店は創業時の400年前と同じ場所に今も建っています。その歴史は、まるでおとぎ話のように始まります。古きパリの中心であった五区のセーヌ河畔のサンルイ島の前に一軒の旅籠がありました。そこからは、銀の塔(フランス語でトゥールダルジャン)と呼ばれる、太陽の光に反射して銀色に輝く雲母で飾られたトゥールネル城の塔がよく見えたのです。

このトゥールネル城は当時の王様がパリに立ち寄られる為に創られたお城でした。旅籠の主人は国王に願い出て、店の紋章にこの塔を使うことを許されて、店に銀の塔、「トゥールダルジャン」という名前を付けたのです。これがトゥールダルジャンのルーツです。そして、1582年3月のある日、アンリ三世が狩りの帰りに、ある珍しい発見をしました。1582年3月4日。鹿狩りの帰りだった国王アンリ三世と貴族達が来店。隣りのテーブルでフィレンツェから来た貴族が小さな尖った道具を使っていました。王が尋ねるとヴェニスから届いたばかりの発明品とのこと。それまで、フランスの人々はフォークというものの存在を知りませんでした。これがフランスの食文化史上初めてフォークというものが登場した場面です。すぐに国王は取り寄せるよう命じ、その後、宮廷に導入されました。そのフォークと同じ時代のものが、ラ・トゥール・ダルジャン東京の店内で見ることができます。

今日のトゥールダルジャンは、19世紀のフランスにおける二大レストランから生まれました。ひとつは、当時の貴族の館「トゥールダルジャン」。もうひとつは、1867年のパリ万博を訪れたロシア皇帝と皇太子、そしてプロシア国王がプライベートで同じテーブルを囲んだ歴史的な晩餐“三皇帝の晩餐”の舞台となった「カフェ・アングレ」。このふたつのレストランの子息と令嬢が結婚したことによって、ふたつの店はひとつとなり、現在のトゥールダルジャンへと歴史はつながっていくのです。19世紀末、当時の支配人フレデリック・デレールの鴨料理は評判を呼び、手掛けた鴨の一羽一羽ごとに番号を付けるというユニークなアイディアで、トゥールダルジャンの名はさらに広まりました。1921年6月21日、当時、皇太子であらせられた昭和天皇がパリ本店で召し上がられた際の鴨番号が「53211」。この番号を記念すべき番号と定め、敬意を表して、この番号の次の番号を、後に誕生するラ・トゥール・ダルジャン東京での最初の番号とすることになりました。ラ・トゥール・ダルジャン東京は、まさにフランスと日本の食文化の架け橋という役割を担っているのです。

もう一つ、私がフランスのシャンティイという街(パリより北へ約40km、イル・ド・フランス地方にあり、ルネサンス時代の美しいシャンティイ城が有名)のシャトーホテルで勤務していた時のお話です。ホイップクリームのルーツはこのシャンティイにあります。ホイップクリームは、このシャンティイ城で、シャンティイ城の主コンデ公のお抱え天才料理人のヴァテールによって生み出されました。ヴァテールは、1671年に太陽王ルイ14世を招いての3日3晩の大宴会を任されます。宴会でカスタードクリームを出そうとしたところ卵が足りなかった為、彼の機転で生クリームを砂糖と泡立て、いわゆるホイップクリームを作ってお客様に提供しました。それがルイ14世に大絶賛され、このホイップクリームは、シャンティイのクリーム、フランス語でクレーム・シャンティイ(Crème Chantilly)と名付けられました。 18世紀後半から19世紀にかけて活躍した美食家のブリア・サヴァランの残した『美味礼讃』の言葉、2つをご紹介します。

①「君が何を食べているか言ってみたまえ、君が何者であるかを言い当てみよう。」

“Dis-moi ce que tu manges, je te dirai ce que tu es.”

英語のことわざにも、“You are what you eat. ”「食べているものでその人の人となりがわかる」がありますね。

②「だれかを食事に招くということは、その人が自分の家にいる間じゅう、その幸福を引き受けることにある」

“Convier quelqu’un, c’est se charger de son bonheur tout le temps qu’il est sous votre toit.”

私がお客さま、又人と接する際にいつも心に刻んでいるとても好きな言葉です。

フランス料理を通して、その人自身と「食」が密接に関係しているがわかります。食事の大切さ、あらためて実感しますね。

mitocoブレンドハーブティ:エゾウコギパワー

mitocoブレンドハーブティ:エゾウコギパワー

高麗人参茶の様な独特、少し甘みのある味です。シナモンや黒豆茶の味がブレンドされとても飲みやすいです。疲れが溜まっていると感じた際に飲んでみました。疲労が改善、スタミナが補給された感じがします。又気分の落ち込みが気になる時に飲むと良いそうです。3月は気候、環境の変化の多い時期。体調、心を整えるのにお薦めです。