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Rikako Ikeda コラム No.41

ホテルにまつわる食のストーリー⑧

ホテルではその時代にふさわしい食の習慣や文化が育まれ、又宿泊のお客さまにまつわる新しいメニューが誕生してきました。上流階級の人々が自身のお城や宮殿で行っていた風習を、一般のお客さまの為にホテルでも提供したり、又特別なお客さまのリクエストによりシェフが特別に考案したメニューがあります。その特別な料理やお菓子にはお客さまの名前が付けられました。そんなホテルにまつわる食べ物、飲み物についてご紹介しています。今年の夏はオリンピックイヤーの特別な夏。近代オリンピックは、フランス人のクーベルタン男爵(近代オリンピックの父と呼ばれています)により提唱されました。2024年のオリンピックの舞台はまさにフランス、パリ。 食のストーリーのコラム最後を飾るのは、そのパリで最も歴史あるレストラン、ラ・トウールダルジャン パリ La Tour d’Argent Parisの食にまつわるストーリーです。

トゥールダルジャン パリは“銀の塔”という意味で、パリの左岸、セーヌ河を見下ろす、創業時の約400年前と同じ場所に今も建っています。その物語の始まりは、1582年。フランスではアンリ三世の時代です。数百年を超えて歴史を紡いできたヨーロッパでも稀有なレストランなのです。そこには、支える職人たち(アルチザン)の誇りと魂、代々受け継がれてきたトゥールダルジャンのエスプリ、そして偉大なるフランスの伝統が継承されています。

その歴史を紐解くと、古きパリの中心であった五区のセーヌ河畔のサンルイ島の前に一軒の旅籠(オーベルジュ)がありました。トゥールダルジャン パリは、レストランのみならず、宿泊も出来たのです。そこからは、銀の塔(トゥールダルジャン)と呼ばれる、太陽の光に反射して銀色に輝く雲母で飾られたトゥールネル城の塔がよく見えました。このトゥールネル城は、当時の王様がパリに立ち寄られる為に創られたお城でした。旅籠の主人は国王に願い出て、店の紋章にこの塔を使うことを許されました。それが店名、「ラ・トゥールダルジャン」になりました。まさにトゥールダルジャンのルーツです。そして、1582年3月4日、アンリ三世が狩りの帰りに、ある珍しい発見をしました。鹿狩りの帰りだった国王アンリ三世と貴族達がトゥールダルジャンに来店。隣りのテーブルでフィレンツェから来た貴族が、小さな尖った道具を使っていました。王が尋ねるとヴェニスから届いたばかりの発明品とのこと。それまで、フランスの人々はフォークというものの存在を知りませんでした。これがフランスの食文化史上初めてフォークというものが登場した場面です。すぐに国王は取り寄せるよう命じ、その後宮廷に導入されました。

今日のトゥールダルジャンは、19世紀のフランスにおける二大レストランから生まれました。ひとつは、先ほどお話した当時の貴族の館「トゥールダルジャン」。もうひとつは、「カフェ・アングレ」。このふたつのレストランの子息と令嬢が結婚したことによって、ふたつの店はひとつとなり、現在のトゥールダルジャン パリへと歴史はつながっていくのです。1867年のパリ万博を訪れたロシア皇帝と皇太子、そしてプロシア国王がプライベートで同じテーブルを囲んだ歴史的な晩餐“三皇帝の晩餐”が「カフェ・アングレ」で執り行われました。三人の皇帝とは、ロシア皇帝アレクサンドル2世と皇太子、プロシア(今のドイツ)皇帝ヴィルヘルム1世です。プライベートで三人の皇帝が同じ食卓を囲むという事は当時でも非常に珍しい出来事。ロシア皇帝の好物のフォアグラを使った前菜“トゥールダルジャン特製 フォアグラ三皇帝風”はトゥールダルジャンでも有名な伝統料理です。

19世紀末には、当時の支配人フレデリック・デレールの鴨料理は評判を呼び、手掛けた鴨の一羽一羽ごとに番号を付けるというユニークなアイディアで、トゥールダルジャンの名をさらに広めていきました。ちなみに、1921年6月21日、当時、皇太子であらせられた昭和天皇がパリ本店で召し上がられた際の鴨番号が「53211」。トゥールダルジャン パリ唯一の支店、トゥールダルジャン 東京は、フランスと日本の食文化の架け橋という役割を担いながら、1984年に誕生しました。昭和天皇がパリ本店で召し上がった鴨の番号に敬意を表して、この番号の次の番号「53212」が、トゥールダルジャン 東京での最初の鴨の番号となりました。パリのエスプリと伝統を大切に守りながら、進化し続ける本物のフランス料理を今日も東京で味わうことが出来るのは幸せなことです。

トウールダルジャンでもう一つ有名な料理が“鴨のロースト マルコ・ポーロ風”。5種類の胡椒を使ったソースで、シェフが各地を旅して出合ったピンク胡椒を使って開発したソースが特徴です。マルコ・ポーロはヴェネツィア共和国の商人であり、ヨーロッパへ中央アジアや中国を紹介した『東方見聞録』で有名ですが、胡椒は中央アジア、インド原産のスパイス。まさにマルコ・ポーロという名前がぴったりです。

トゥールダルジャン 東京開業時から日本代表総支配人を務めるフランス人のクリスチャン・ボラー氏は、ご自身も貴族の出身。トゥールダルジャン 東京は、まさにフランス貴族の邸宅を想わせる、パリのエレガンス香る空間そのもの。ボラー氏は、フランスの食文化やアール・ドゥ・ヴィーヴル(美的生活)を日本に紹介し、フランスと日本の架け橋として長きに渡り貢献されていらっしゃいます。フランスのおもてなしを体現する為に、「キャンドルの炎が消えない様に優雅に振舞うこと」をスタッフへの教えの一つに教育にも携わっています。まさにエレガントを体現しておられるボラー氏の言葉をご紹介します。『お客さまに、常に期待を超える満足の提供をお約束すること、それがブランドだと思います。トゥールダルジャンは常にさまざまなチャレンジを続け、伝統、そして脈々と受け継いできたDNAを大切にしながら、常に新しい時代の息吹を入れながら進化を重ねています。トゥールダルジャンは単なるレストランではありません。フランスの食文化をお伝えし、お客さまにとって、ライフスタイルの「ハレの日」。その幸福な時間を表現するための「舞台」であり、私共はお客さまが楽しんでいただける場を創り出す存在でありたいと思っています。これからも日々、トゥールダルジャンの歴史の新しい1ページをお客さまと共に綴ってまいります。』

【トゥールダルジャン パリには、先ほどご紹介した「三皇帝の晩餐」の実物のテーブルセッティングが展示されています。トゥールダルジャン 東京では、同じ時代の同じ品物で「三皇帝の晩餐」の場面が再現されています。又、アンリ三世がイタリアから取り寄せた“二股のフォーク”の原型もパリ、東京で鑑賞することができます。】

会津人参石けん:夏

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夏はシャワーを多く浴びる機会も多いので、この会津人参石けん“夏”は、肌をしっとり保ってくれるので大好きです。無添加石けんなので肌に優しく、アルガンオイルが配合されているので保湿性と浸透力が素晴らしいです。福島会津産の高麗人参の果実は、夏に真っ赤に実るそうです。ネーミングの“夏”も素敵です。夏のギフトにお薦めです。泡立てネットとソープディッシュのセットも大変使い易いです。ホテルルHoteluluサイトの商品は、品質の高さに安心感があります。