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Rikako Ikeda コラム No.23

至高のホテル コンシェルジュストーリー JAPAN TOKYO

一流のコンシェルジュストーリーシリーズの最終回は、我が国日本、東京でご活躍された日本人コンシェルジュをご紹介します。ホテル西洋銀座に私がパーソナル・セクレタリー(コンシェルジュ)として勤務した際の上司、多 桃子さん(Mrs. Momoko Ōno)です。私のコラムでは前回に続いて二人目の女性コンシェルジュ。

多さんとの出会いはホテル西洋銀座に入社の際の面接からでした。まずはこのホテル西洋銀座(1987年3月15日開業 – 2013年5月31日閉鎖)についてお話したいと思います。何故なら、あれ程までハードとソフトに於いて洗練を極めたホテルが東京に存在したことは奇跡といっても過言ではないからです。東京、銀座通りに面して位置し、パリ、ロンドン、ニューヨークと並び、当時、世界でも最も高級なホテルの一つでした。コンセプトは「西欧の高質感ときめ細やかな和の伝統とおもてなしの融合」パリのリッツやロンドンのコノート、ニューヨークのカーライルのような小規模高級ホテルに日本旅館の持つ“細かいところに手が届くようなサービス”を取り入れた「スモールラグジュアリーホテル」として一世を風靡しました。77という少数の客室数ながら、1室の平均面積は60㎡を超え、開業当初は6階以上がすべてスイートルーム、又広いバスルームや当時大変珍しかったスチームバスを備えていました。

パーソナルコンシェルジュサービスが導入され、一般的なホテルにあるフロントカウンターはなく、ゲストはホテルに到着すると、パーソナル・セクレタリーと呼ばれるスタッフが出迎え、2階にあるレセプションルームでチェックインを行い、各客室へ案内。チェックアウトまでの秘書的な業務に加え、レストランや旅、各種チケットやエアライン・リムジンなどの手配・予約にも対応しました。客室内ではルーム・アシスタント、バトラーがランドリーサービス承りから好みの枕・バス用品・化粧品のオーダーに至るまで、様々なご要望に応えていました。

そのパーソナル・セクレタリーのチーフとして開業から活躍されていた多さん、美しいQueen’s English を使い、ホテルゲストのほとんどが欧米からの外国人という状況の中で素晴らしいおもてなしを提供されていました。身のこなしは前職の日本航空、英国航空の客室乗務員でいらした経験から、優雅でありながらも、機敏で英知に満ちたものでした。日本の文化を知り、それを英語で正確に、時にはユーモア交えて説明される姿は、コンシェルジュの例えで使われるまさに“民間外交官”そのもの。又以前このコラムでもお話した、プロフェッショナル・コンシェルジュが身に付ける最高のサービスの証、レ・クレドール(黄金の鍵)という国際組織に認められ、金色の鍵を最初に身に付けた日本人コンシェルジュです。レ・クレドールジャパンの初代会長の要職も担いました。まさに日本に於けるコンシェルジュのパイオニアと言えるでしょう。

私が、レ・クレドールの会員の資格を申請した際も、このコラムでもご紹介したかつての上司であったアメリカ人のトーマス・ウルフ氏、そして多さんが推薦者となって下さいました。本当に素晴らしい上司との出会いが、私のコンシェルジュという職を極めることを可能にしてくれたのです。感謝の念は尽きることはありません。多さんのおもてなしから学んだことは数しれません。それらは、美しい言葉、英語で接客すること、お客さまを我が家にお迎えする(カスタマーとしてでは無く)ゲストとして接すること、お客さまの「さま」は漢字では無くひらがなで書くこと、レ・クレドールコンシェルジュのおもてなしは、まるで“キルト”の如く1人ひとりが小さな布を持ち寄り大きな作品に仕上げるのと同じ、1人ひとりが出来ること、知恵を持ち寄り、最高のおもてなしを提供できる様にすること。どれも今の私の大切なおもてなしの基盤となっています。

百花蜜 Japanese Bee Honey:日本ミツバチのはちみつ 八ヶ岳産

百花蜜 Japanese Bee Honey:日本ミツバチのはちみつ 八ヶ岳産

百花蜜の素晴らしさを実感できるお料理レシピをご紹介します。貴重な百花蜜は、その成分ゆえ身体にも大変良いと言われ、その香りと風味は格別です。おすすめのお料理は、ハニーチキンソテー、ハニーマスタード添え。ハーブとレモン等でマリネしたチキンをソテー、ハニーマスタードを使った風味豊かなソースには隠し味に百花蜜を入れました。ヴァレンタインデーに因んでハートのニンジンを添えて。その他、春の訪れを感じさせるミモザサラダ、百花蜜のビネガードレッシング和え。いろどりも春の予感を感じさせてくれます。それでもまだ寒さが厳しい2月。暖炉や薪ストーブの前で頂くオレンジとはちみつのホットドリンクは身体が温まります。百花蜜には、蜂が様々な花から採取して貴重なはちみつを作り出す神秘があります。それはホテル西洋銀座でのコンシェルジュサービスの様にそれぞれのコンシェルジュが英知を集約するのと似ていますね。