先月から世界の観光名所で、コンシェルジュに所縁のある場所をご紹介しています。
第二回目は、イタリア・ローマ市内に位置する世界最小の独立国ヴァティカン市国Vatican Cityです。国有面積0.44平方km、人口約800人。今年コンクラーベを経て新しい教皇レオ14世(第267代、2025年5月18日就任、米国出身)が誕生しました。今年は、この新教皇の誕生を知らせる「白い煙」が礼拝堂の煙突から上がるのを多くの信者をはじめたくさんの人々が見守ったことでしょう。
何と国全体が世界遺産に登録されている唯一の国。1984年に登録されました。ヴァティカン市国とは教皇聖座(Holy See)とヴァティカン市国(Vatican City State)の総称です。教皇聖座とは、カトリック教徒の総本山、また教皇の国を意味し、宗教機関でありながら、国としての側面も持つローマ教皇及びローマ教皇庁(政府に相当)を総称した概念です。
一方、ヴァティカン市国とは、教皇聖座に居所を提供している領域としての国家を指します。なぜコンシェルジュにまつわる場所かといえば、それは、ヴァティカン市国の国旗が、鍵をモチーフにしているからです。そこには大切な意味があります。まずは鍵についてです。金と銀の鍵がクロスされています。以前にもご紹介したプロフェッショナルコンシェルジュが所属するレ・クレドールという協会のシンボルであるクロスキーを連想させます。イエス・キリストの使徒ペテロが、イエス・キリストから授けられた「ペテロの鍵」がそのモチーフとなったといわれています。
又国旗に描かれている黄と白の二色の冠は、教皇庁を守る衛兵の帽子に由来するという説と、エルサレムの神旗に由来するという説があります。教皇庁を守る衛兵はスイス人。警護するようになったのは16世紀の初めのこと。1505年6月、当時の教皇ユリオ2世は、傭兵として各地の戦争で活躍し、精強な兵としてヨーロッパ中に知られていたスイス人兵士200人を、当時は教皇領だったローマに連れて行き、ヴァティカンを守らせました。その後も勇敢で忠誠心の強いスイスの傭兵を採用し、その伝統は今でも継承されています。約14億人とも言われる信者を擁するカトリック教会の最高機関であり、国家としての側面も持つユニークな国。公用語はラテン語。ただし、外交用語にはフランス語、日常会話ではイタリア語を使うことが多いそうです。
小さな国土ながら、数々の芸術作品や建築物の傑作が集まっているので見どころも多いです。代表的なものにヴァティカン宮殿、システィーナ礼拝堂、ラファエロの間、サン・ピエトロ大聖堂と広場、オベリスク、サンタンジェロ城です。ヴァティカン宮殿は1378年以降、ローマ教皇の住居となっている建物。内部には美術館、図書館、礼拝堂などがあり、それらを総称してヴァティカン美術館とも呼ばれています。システィーナ礼拝堂はヴァティカン美術館の中にあり、かのミケランジェロの傑作の天井画の「創世記」や有名な「最期の審判」はここに所蔵されています。教皇選挙のコンクラーベもここ、システィーナ礼拝堂で行われます。ラファエロの最高傑作とされる「アテナイの学堂」は、古代ギリシャの哲学者たちを描いており、レオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにしたプラトンとアリストテレスが中央で議論し、ミケランジェロをモデルにしたヘラクレイトスが物思いにふけっています。サン ピエトロ大聖堂は、印象的な建築物や象徴的な芸術作品が見られる市内を代表する象徴的な教会で、その歴史は17世紀にまで遡り、この教会が建てられた場所にはかつて聖ペテロが埋葬されているとされる古代の教会がありました。さらに、ベルニーニが手掛けた巨大な青銅の天蓋もあります。
心の不安や乱れは誰もが経験するもの。このハーブティを飲むと自分自身がリセット出来、身体もリラックス、そして気持ちが明るくなります。このハーブティに含まれる西洋ハーブのセントジョンズワートは、聖ヨハネの薬草とも呼ばれているそうです。6月から7月にかけて、聖ヨハネ祭の頃、黄色い花を咲かせることが由来で、聖ヨハネの日(毎年6月24日)には治癒力も高まると言われ元気を取り戻したい人に愛飲されています。日の長さが最も長く、太陽や自然の力が最も高くなるとされる夏至とも関係があるのでしょう。このお話に魅了され、是非年間を通して飲んでいきたいハーブティです。すっきりした味わい、優しい香りです。