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Rikako Ikeda コラム No.64

おもてなしの原点 巡礼の旅②

コンシェルジュの歴史を紐解いていくと、その原点は中世の巡礼の旅にあります。巡礼者が立ち寄る教会や修道院で旅人を温かくもてなし、困ったことを解決し、様々な質問に的確に答え、後に続く旅のアドバイスをしてきました。先月からシリーズで、様々なおもてなしの原点となっている世界の巡礼場所にスポットを当てています。今月はフランスの「モン・サン・ミシェル」です。

フランスへ旅する観光客にとって、パリ、ヴェルサイユに次いで、モン・サン・ミシェルは人気の観光地。“西洋の驚異”と称される、モン・サン・ミシェル湾の沖に浮かぶ、周囲約900m、高さおよそ80mの小さな島とその上にそびえるこのベネディクト会修道院は、足元には石造りの建物がひしめき、唯一無二の景観を作り上げています。潮の満ち引きが激しい場所にあり、橋がかけられてはいますが、大規模な工事を経て、満潮時には昔の様に海の中に孤立します。まさにかつての景観がよみがえりました。それは同時に、昔の巡礼の旅がいかに過酷なものであったことも示しています。

その歴史は、708年に遡ります。司教オーベールが大天使ミカエルのお告げにより修道院を建造したのが、モン・サン・ミシェルの始まりだと言われています。当時は小さな修道院でしたが、建造・崩壊・修復を繰り返した結果、11世紀にロマネスク様式の修道院、13世紀にはゴシック様式のラ・メルベイユが建築され現在に至っています。荘厳なこの建造物は、まさに歴史と伝説の傑作と言えるでしょう。世界の中でもキリスト教信者にとって主要な巡礼地となったことも頷けます。

モン・サン・ミシェルとその湾が世界遺産に登録されたのは1979年。美しい外観が特徴ではありますが、14世紀の100年戦争では城塞として機能し、18世紀のフランス革命後は反対派を収容する監獄として使用されていました。100年戦争をはじめとする、二度と繰り返してはならない歴史や美しい景観を後世に残すために、世界遺産に登録されたと言われています。どこを見ても美しいモン・サン・ミシェル。その中でも外せない見どころは、まずはモン・サン・ミシェルのシンボル、修道院の附属教会でしょう。高い天井にあるステンドグラスからは自然光が差し込み、より教会を美しく輝かせます。そして修道院の回廊です。アーチ状の回廊の壁は、洗練されたデザインが美しく続いています。回廊からは中庭を眺めることもでき、鮮やかな緑に囲まれた回廊の景色は圧巻です。

その他、修道院へ続くカフェやお土産が並ぶ参道“グランド・リュ”の中でも最も有名なのは、「ラ・メール・プラール(La Mère Poulard)」でしょう。この岩山までの長い道のりを歩き、疲れ果てた巡礼者のために、お腹いっぱいになる様にと1888年にアネット・プーラールがÀ l’omelette renommée de la mère Poulard というささやかな旅籠を始め、オムレツを振る舞ったのがその始まり。その特徴は、スフレタイプのオムレツ、ここが発祥です。店内の壁一面には、訪れた著名人の写真が飾られています。昭和天皇・皇后両陛下の写真もあります。遠く離れたフランスの地に、日本の皇室の方々が訪れ、そのお写真が今も大切に飾られていることは誇らしいことです。

その他、ココ・シャネル、ダリダ、イヴ・サン=ローラン、アンドレ・マルロー、サルバドール・ダリ、フランソワーズ・サガン、マーガレット・サッチャー、クレマンソー、シャルル・ド・ゴール、マクロン大統領、ポール・ボキューズといった各界の著名人も訪れました。アネット・プーラールのホスピタリティの精神は、今もこの小さな宿泊施設、スフレオムレツに受け継がれています。ふわふわのオムレツには、ノルマンディ地方名産のフルーティーなシードルが良く合います。さらに“プレ・サレ”という、子羊の肉料理も有名です。モン・サン・ミシェル周辺の牧草は、潮の満ち引きの影響で塩分を含んでいます。それを食べた子羊の肉は独特な風味があると言われています。レストラン「ル・プレ・サレ」は、中でも特に人気の高い評判の良いお店です。

アロマブレンドオイル Delight ディライト:ハートが歓びで満たされる香り

アロマブレンドオイル Delight ディライト:ハートが歓びで満たされる香り

英国製のアロマブレンドオイル、私はこのオイルの上質のラベンダーの香りが特にお気に入りです。梅雨から初夏に向けて、爽やかな香りに癒されます。旅先にも持参しています。疲労感、緊張感、ストレスをリリースしてくれます。その名の通り、心が落ち着く香りです。安らかな睡眠へも誘ってくれます。