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Rikako Ikeda コラム No.63

おもてなしの原点 巡礼の旅①

コンシェルジュの歴史を紐解いていくと、その原点は中世の巡礼の旅にあります。巡礼者が立ち寄る教会や修道院で旅人を温かくもてなし、困ったことを解決し、様々な質問に的確に答え、後に続く旅のアドバイスをしてきました。今月からシリーズで、様々なおもてなしの原点となっている世界の巡礼場所にスポットを当てていきたいと思います。

今月はまず日本の「四国遍路」についてです。四国遍路は、40日以上かけて徳島、高知、愛媛、香川4県にある弘法大師ゆかりの八十ハカ所の札所を訪ねる巡礼の旅のことです。巡礼の旅は徳島からはじまり、高知、愛媛、香川の順に巡る世界的にも珍しい「回遊型」の参拝ルートが特徴です。八十八カ所の札所には順番があります。その道のりは約1400kmにも及び、すべての札所を巡拝することで、願いが叶ったり、弘法大師の功徳を得られるといわれています。

2015年、『「四国遍路」回遊型巡礼路と独自の巡礼文化』として日本遺産に認定されました。最近は参拝する目的も多様化しています。健康祈願や近親者の供養、健康増進、自分探しの旅など、人によって実にさまざまです。平安時代に僧侶や修験者が厳しい自然の中で修行を始め、その後一般庶民が四国遍路を始めたのは江戸時代。1687年に初めての「四国辺路道指南(しこくへんろみちしるべ)」という現在のガイドブックが出版されると、多くの人が四国遍路を行う様になったそうです。

「弘法大師と一緒」を意味する「同行二人(どうぎょうににん)」と書かれた菅笠(すげがさ)をかぶり、白装束をまとい、金剛杖を持ち巡礼をする人々を「お遍路さん」と呼びます。この「お遍路さん」におもてなしをすることを「お接待」と呼びます。まさに四国に根付く文化です。歩いて巡礼を行うお遍路さんに地元の人々が飲み物や食べ物を振る舞ったり、寝床を無料で提供したり(善根宿(ぜんこんやど)と言います)、髪を整えてくれたりします。対価を頂いて提供するサービスでは無く、お遍路さんを純粋に応援し、労う気持ちで行われているのです。

ここ数年、インバウンドで訪れる海外からの巡礼者も多く、このお接待文化は外国人の心も虜にしています。言葉を流暢に話せなくても、心が通じ合えたと感じる人も多く、まさにおもてなしそのものと言えます。そしてそのことが忘れられない思い出に繋がる様です。おもてなしの意義、まさに、言葉、人種、信じる宗教、性別、年齢などの壁を超えて人々の心に伝わることを物語っています。見返りを求めない、心から行う「おもてなし」とはいうものの、施す側はこの様な良心をもって功徳を積むことにより、自らが恩恵を授かり、幸福になれるというプラスの要素もたくさんあります。

お接待する側、される側が同等の関係、相乗効果をもたらす、まさにコンシェルジュをはじめとするホテルスタッフとゲストとの関係と同じです。私も長年ホテルにコンシェルジュとして勤務してきましたが、このおもてなしの心を提供することで得られる自身の達成感、幸福感が、やりがいや情熱を育んできたと感じています。四国遍路の旅はまだ経験したことはありませんが、いつかその一端でも体験してみたいと思います。

Mitotoハーブティ Diana in Love

Mitotoハーブティ Diana in Love

Mitoco先生のハーブティの中でも一番のお気に入りです。6月に咲き誇る薔薇と初夏にふさわしいミントのハーブティ。華やかさと爽やかな味と香りで幸せな気持ちになります。気温が高い日や湿気の多い日は冷やして頂くのもお薦め。飲むと口の中がすっきり、良い香りが漂います。ダイアナ妃のお気に入りのハーブティだったとのことで、ネーミングもロマンティックで素敵です。