VIP(ヴィアイーピー)という言葉、日常でも良く耳にすることも多く又使う頻度も高いでしょう。
もしかすると通称のビップという言葉の方が馴染みがあるかもしれません。ホテルに限らず、お客さまをお迎えする場所ではVIPは非常に重要です。ホテルでは朝のブリーフィングの際に、必ず今日の到着、出発、そして滞在中のVIPゲストについて細かく情報が提供され、スタッフ一同それを共有しています。今月はこのVIPゲストについて深く掘り下げていきます。
まず、VIPとは、Very Important Personの頭文字をとった言葉で、文字通り、非常に重要人物という意味です。ホテル業界では特別な待遇を受けるべきお客さまのことを指します。VIPゲストには主に5つのカテゴリーがあります。
①「要人」と言われる社会的に高い地位や身分を有する人のこと。賓客とお呼びします。皇族、王族、君主、大統領、内閣総理大臣(首相)、国務大臣、次官、地方公共団体の重要人物など
②財界、政界、企業のオーナー、役員など
③人間国宝、著名な芸術家、デザイナー、映画俳優、女優、ミュージシャン、スポーツ選手など
④ホテルのロイヤリティ・プログラム(メンバーシップ)の上級会員、頻度の高いリピーター/常連客など
⑤ホテル内で挙式、披露宴をこれから行う、又既に行ったお客さま
これらのお客さまのご予約はほとんどは御本人からではなく、国や政府機関、会社の秘書、アシスタントなどから入ります。主にスイートに宿泊されます。入念な準備、そして特別なアメニティ:お花やゲストの嗜好に合ったお飲み物などを用意します。
ご到着時は、ランクによりホテルオーナー、社長、総支配人が正面玄関の車寄せにてお出迎え、その後、アシスタントマネージャー、ゲストリレーションズスタッフ、コンシェルジュが直接お部屋へご案内、お部屋にてサインのみを頂くなどチェックインを行います。時によっては、専用のラウンジにてチェックインをしたり、空港送迎サービスやお部屋のアップグレード、レイトチェックアウトなどの特典を提供することもあります。細心の心遣いが払われ、お客さまをホテルでお迎えするその瞬間から、お客さまへのパーソナルな接遇がスタートします。日頃から一流ホテルのスタッフは、VIPゲストと呼ばれるお客さまの車種やナンバープレート、お顔などは識別し、名前を覚えておもてなしに活かしています。当然のことながら、ホテリエに必要な常に高いコミュニケーション能力・語学力、プロトコールといった特別なスキルを携え、VIPゲストへ敬意を最大限に払っていきます。又要人、著名な方々ですのでVIPのセキュリティ及びプライバシーを尊重することがとても重要です。VIPにご利用頂けることは、何よりもホテルにとって非常に大きな意味があります。ホテルの名声を高め、スタッフのモチベーションやプライドも高めてくれます。何より高い宣伝効果をももたらします。
私もこれまで多くの、先ほどお話した全てのカテゴリーのVIPゲストの接遇を担当してきました。それらの経験の積み重ねがあってこそ、今の自分自身があると実感します。
さて、セレブという言葉についても触れたいと思います。 セレブCelebは、セレブリティCelebrityの略で、意味は有名人、名士。特にその人物の動向が注目される人の事を指します。フランス語ではセレブリテCélébrité。最近ではインフルエンサー、人気のユーチューバーもセレブに含まれるのでしょう。ホテルのVIPゲストになるかどうかは先ほど示した条件に見合えば可能です。けれども有名であれば即VIPゲストというわけではありません。いわゆるセレブでは例え無くても、ホテルを何度も利用されたり、自身の人生の節目のイベントにホテルを選んで下されば、その方々はもちろんVIPゲストとしての待遇を受けるのです。VIPゲストからは、様々なリクエストが寄せられます。特別な境遇、状況の方々であればこそ、リクエストには迅速に確実に対応していかなくてはなりません。コンシェルジュの力量が試されます。VIPゲストとの思い出はとても深く、それら全てが今でも鮮明に記憶に残っています。
春になり、屋外でのピクニックに是非味わいたいワイン。どんなお料理にも合います。果実味のあるアロマの優しい甘味と
余韻に残る渋みが絶妙のバランス。南イタリアの太陽を感じさせてくれる赤ワインです。