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Rikako Ikeda コラム No.18

至高のホテル コンシェルジュストーリー モナコ

一流のコンシェルジュストーリー、2回目はモナコのホテル・デュ・パリ モンテカルロ Hôtel de Paris Monte-Carloのコンシェルジュ、モネガスクのチーフ・コンシェルジュであったシャルル・エメリッシュ(Charles Emmerich)をご紹介します。

このホテルは1864年の創業以来、世界中の名だたる賓客をもてなし世紀を超え歴史を刻んできたモナコの権威ある老舗5つ星パラス。内装はヴェルサイユ宮殿を模したとされ、エレガントで煌びやかな優雅なモナコを代表するホテルです。モンテカルロSBM(MONTE-CARLO Société des Bains de Mer)所有のホテルで、この会社はホテル・デュ・パリ・ モンテカルロを含む4ホテルの他、老舗カジノやオペラ座など幅広く運営しています。ホテルの前の通りは、モナコ F1グランプリのコース。又世界最大のワインセラーや最年少でミシュラン3つ星獲得したなど世界的に有名なシェフ、アラン・デュカス監修の正統派フレンチレストラン(ミシュラン3つ星)があります。ホテル内のスパのプールは何と地中海からの海水をひいています。そんな極上ホテルのトップコンシェルジュ、シャルルのエピソードです。

ある日、私はニースの空港からモナコまで移動手段としてヘリコプターを利用しました。ヘリコプターを降り、送迎の車でホテルに到着。するとヘリコプター内にパソコンを忘れてしまった事に気付きました。早速シャルルの居るコンシェルジュデスクへ。シャルルは「ではヘリコプター会社に聞いてみましょう」と優しく安心させる様な眼差しで答えてくれました。シャルルが電話を掛けると、彼はまず自分の名前を名乗り、よもやま話を始めました。「元気ですか、最近のビジネスは?」等。こちらが心配そうな顔を見せると手を挙げて「今から訊くから大丈夫!」というサインを私に送ってくれました。肝心の忘れ物について尋ね始めたところ、わずか数分でシャルルは私にウインクして又微笑みました。そしてヘリコプター会社との会話の最後の言葉は「ではホテルで待っています。よろしく頼むね」というものでした。シャルルは、私を素敵なティーラウンジに案内してくれ、「パソコンが届くまでここでお茶を飲んで寛いでくださいね」と言い、再びコンシェルジュデスクに戻り、接客を始めました。

お茶がサービスされると、忘れ物の心配事も頭から消え、美しいホテルの内装、窓から見える紺碧の地中海を眺め、すっかり気分は夢見心地。するとシャルルが“Voila! Mademoiselle! (どうぞ!お嬢さん) ”と言いながら茶目っ気たっぷりにパソコンを手渡してくれました。コンシェルジュに必要なおもてなしの極意、それには余裕やユーモアは欠かせません、そしてシャルルが手品師の様に問題を解決できるのは、彼の持つ人脈、そしてあらゆる関りを持つモナコやコートダジュールの人々からの彼への信頼の深さがその根底にあるからだと身をもって感じた出来事でした。小さな国モナコのあまりに壮大なコンシェルジュ、それがシャルルです。

*モネガスク:世界に5000人程しか存在しないモナコ国籍を所持するのが「モネガスク」。先代がモナコに居住又はモナコに生まれ、10年以上モナコに住んでいる人のこと。

イタリアワイン:ジオGio 2018

イタリアワイン:ジオGio 2018

深い味わいという言葉が実にふさわしいワインです。南イタリアの太陽を浴びて育った野菜やしっかりとしたお肉料理に合うでしょう。イタリアのプリミティーヴォの100%のブドウがフランス製のオーク樽で熟成されたということで、まるでフランスとイタリア両方の魅力を彷彿させる極上の国モナコと重なります。そんな素晴らしい品質のワインを購入できるのが、ホテルルHoteluluサイトの魅力ですね。